適正な査定でスムーズに売却できた事例

離婚に伴う不動産売却は、多くの方にとって精神的にも大きな負担となります。
売却のタイミングや価格の設定、手続きの進め方など、考えなければならないことが多く、スムーズに売却できるか不安に感じることも少なくありません。
特に、離婚が完了していない場合、売却の進め方によってはトラブルにつながる可能性もあります。
例えば、売却価格の決定や売却後の利益配分について意見が合わず、売却が長引いてしまうケースも少なくありません。
そのため、できるだけスムーズに話を進めるためには、早い段階で価格設定や販売戦略を明確にし、双方が納得できる形で売却を進めることが重要です。
今回は、広島県廿日市市で実際に成功した「離婚に伴う不動産売却」の事例を紹介します。売主様の希望を叶えつつ、スムーズに売却できたポイントについて詳しく解説していきます。
売却の背景
今回の事例は、広島県廿日市市にある築15年の建売住宅の売却です。売主様は40代で、離婚に伴い自宅を売却することになりました。売却の目的は、財産分与を円滑に進めることと、新たな生活に向けた準備をすること。住宅ローンが返済できて、手元に少し残ることを希望されていました。
一方で、購入希望者となったのは、現在住んでいる地域に住み続けたいと考えていた夫婦と子ども2人のご家族です。このエリアを気に入っていたものの、新築住宅を購入するには予算が合わず、中古戸建を探している最中でした。
査定を行ったところ、交通や商業施設の整備が進んだことで、若者世代に人気の高まっているエリアであること、また中古戸建の売り出しが少ないことが分かりました。さらに、築15年という築年数は、過度なリフォームをしなくてもそのまま住めるケースが多く、新築よりも手頃な価格で購入できるため、中古市場で人気の高い築年数でした。こうした要因を踏まえ、購入時と同じ価格で売却活動をスタートすることになりました。
売却戦略
希望価格でスムーズに売却するために、売主様と相談しながら戦略を立てました。今回の売却では、適正価格の設定、リフォームなしの販売戦略、物件の魅力を最大限に引き出す工夫の3つを重視しました。
1. 適正価格の設定
市場調査の結果、売却価格は購入時と同じ価格でスタートすることにしました。理由は、周辺環境の発展によりエリアの人気が高まっていたこと、中古戸建の売り出しが少なく希少性があったことです。過去の取引事例や現在の相場を考慮し、適正な価格設定を行いました。
2. リフォームなしでの販売
築15年という築年数は、リフォームをしなくてもそのまま住める状態であることが多く、買主が購入後に自由にリフォームできるメリットがあります。そのため、あえてリフォームをせず、その分価格を抑えることで、購入を検討する層を広げる戦略を取りました。
ただし、生活による汚れが目立つ箇所もあったため、ハウスクリーニングを実施し、購入希望者に好印象を与えるようにしました。また、残置物があったため、売主様と相談のうえ撤去のお手伝いも行い、スムーズに内覧できる環境を整えました。
3. 物件の魅力を最大限に引き出す工夫
ハウスクリーニングを行わなかった玄関回りを定期的に清掃し、第一印象を良くするよう心掛けました。また、売却活動中は月に2回の定期清掃を実施し、内覧前には特に念入りに掃除を行うことで、清潔感のある状態を維持しました。
こうした戦略を実施することで、購入希望者が物件の魅力を最大限に感じられる状態を作り、売却成功につなげました。
販売活動と結果
1. 地域へのチラシ配布
**周辺はファミリー向けの賃貸住宅が多い地域でしたので、**このエリアでマイホーム購入を検討している世帯が一定数いると考え、近隣にチラシを配布しました。
2. インターネット広告の活用
スーモやアットホームなどの不動産ポータルサイトに掲載し、広範囲の購入希望者へ情報を発信しました。
3. 不動産会社専用サイトへの掲載
不動産会社専用の流通サイトにも物件を掲載し、購入希望者を抱えている他の不動産会社とも情報を共有しました。
売却結果
こうした販売活動の結果、売却開始から3カ月で購入希望者が見つかり、手元に資金を残すことができました。
まとめ
離婚に伴う不動産売却は、精神的にも負担が大きく、スムーズに進められるか不安を感じる方も多いです。しかし、適正な価格設定と販売戦略、物件の魅力を最大限に引き出す工夫を行うことで、希望に沿った形で売却を成功させることができます。
離婚時の不動産売却は、通常の売却と同様に市場の動向や物件の需要を見極めることが重要です。 さらに、離婚の手続き状況も考慮しながら、適切なタイミングで売却を進めることで、より良い条件で売却できる可能性が高まります。専門家と相談しながら計画的に進めることが、スムーズな売却の鍵となります。